SPARTA LOCALS 高らかに鳴らされた「復活のファンファーレ」に興奮と熱狂が渦巻いた歓喜の夜!

ライブレポート | 2017.07.20 12:30

SPARTA LOCALS

ワンマンライブ『復活のファンファーレ』 2017/7/15(土) 恵比寿ザ・ガーデンホール
Report/沖さやこ
Photo/朝岡英輔・酒井麻衣

オリジナルメンバーでの再結成後二度目のライブであり、再結成後初のワンマンライブ。SPARTA LOCALSがいまこの時代に戻ってきた理由を1曲1曲の演奏で物語る、最高にロックバンド然としたステージだった。 メンバーがおもむろにステージに登場すると、観客からは興奮を止められないと言わんばかりの大歓声が起こる。ほどなくして中山昭仁(Dr)にピンスポットが当てられ、彼はマイクを通さず「SPARTA LOCALS復活のファンファーレ始めます!」と宣言。4thフルアルバム『DREAMER』の1曲目『青い夏』でこの日の幕を開けた。 SPARTA LOCALS 浮ついているわけではない、だが確実に興奮を抱えている演奏と歌声は、非常に粘度が高い。じりじりと狙いを定める狩猟者のようだ。『夢ステーション』『GET UP!』と音と共に波打つフロアから随所で合唱と掛け声が起こる。観客ひとりひとりが全身で4人へ伝える「待ってたよ!」という気持ちは尋常ではないエネルギーだ。4人はそれを一挙に浴びても一切揺るがないどころか、さらに果敢に攻め込んでいく。 再結成したバンドに対していいイメージを持たない理由に、解散前のエネルギーに及ばないことを挙げる人は少なくないと思う。だがSPARTA LOCALSのステージは過去の焼き増しではなかった。安部光広(Ba)のプレイは解散前よりもフラットで余裕がある。それゆえに、テクニックというよりはもともと持っている人間味がプレイに表れる中山のドラムとの相性が増していた。リズム隊の強度が上がることにより、あの個性的を通り越して変態的な安部コウセイ(Vo/Gt)のボーカルと伊東真一(Gt)のギターがさらに鮮やかに映えるのだ。全員が自分自身を主張しなくとも、自然と生々しく個が立つようになっている。その貫禄と新鮮さの融合が、楽曲そのものの魅力を引き出すことにも直結していた。と、回りくどいことを言ってみたが、結局のところ熱演の要因は“時を経て4人がSPARTA LOCALSというバンドと音楽への愛を深めた”ということに尽きるのかもしれない。研ぎ澄まされた牙のような演奏から、ネガティブな要素は一切感じなかった。

安部コウセイ(Vo, Gt)

伊東真一(Gt)

安部光広(Ba)

中山昭仁(Dr)

観客からの「昭ちゃんお帰り!」の声に中山が笑顔で「ありがとうございます」と返すハートフルな一幕を経て、『sugar』『赤い砂』で会場はロマンチックかつエモーショナルでディープな空気に包まれていく。ここを機に熱量が高まるだけでなく音像も強度を上げた。『エレベーターエレベータ』『サイレント』『POGO』と初期曲を立て続けに届けると、1stフルアルバム『悲しい耳鳴り』のなかでも内省性の高いスロウナンバー『GRUNGY SISTER』へ。バンドの核をこちらに突き付ける、その気魄にただただ圧倒される。隅から隅まで美しく眩しい、中盤の大きなクライマックスだった。 SPARTA LOCALS SPARTA LOCALS コウセイは「SPARTA LOCALSです」とこの日初めての挨拶をしてダブルピース。彼がぶっきらぼうにメンバー紹介をしたあと「みなさんまだ行けますね」と告げると、バンドは『THE CLUB』『名なしの犬公』と中指を立てて噛みついてくるような音を鳴らし、その熱が高まるごとに観客のテンションも高騰していった。『ばかやろう』ではハンドマイクになったコウセイがステージを縦横無尽に動きながら「もっと怒れよ!」と観客を挑発。7月の東京が舞台の『トーキョウバレリーナ』は、「ハロー未来、僕らの格好悪いビートは続いてる?/速さは おとすなよ/守りにはいる事なんか 今 頭にないぜ」というラインなど、今日この日のために生まれた曲なのではと錯覚するほどにおあつらえ向きで、込み上げる感動に思わず涙腺が緩んだ。ここに集まった全員がトーキョウのバレリーナ。その空間に生まれたのはひたすら大きくて強い愛だった。 SPARTA LOCALS アンコールで『ギャップ』を披露したあとコウセイが高揚した様子で「再結成して良かった。ありがとう!」と告げると、観客からは歓喜の声が上がる。どの時代の楽曲もいまのSPARTA LOCALSと最高の相性を築いていたのは、間違いなく4人が楽曲とともにいまの時代を前進しているからだ。最後に『ロックとハニー』を演奏し、コウセイと中山は力強く肩を組みながらステージを後にする。観客の余韻もしばらく覚めることはなく、4人の復活のファンファーレに、そして彼らの未来に拍手を送り続けた。 SPARTA LOCALS 7月22日に開催されるアフターパーティー、cat fish label presents『AFTER BALLET』は彼らと親交が深い夜の本気ダンス、imai(group_inou)、山内総一郎(フジファブリック)が出演。DJ/トラックメイカー、弾き語り、バンドと異なるライブ形態が揃うところにもらしさが見える。特別な夜になるはずだ。

7/22(土)『AFTER BALLET』出演者、山内総一郎(フジファブリック)、imai(group_inou)と安部コウセイが「SPARTA LOCALSの再生について」大いに語る座談会の様子を収めた記事はこちらから!
前編後編

セットリスト

M01.青い夏 M02.夢ステーション M03.GET UP! M04.黄金WAVE M05.UFOバンザイ M06.ギャラクシー空港 M07.sugar M08.赤い砂 M09.Oh! Good Life, No Good Life! M10.エレベーター エレベータ M11.サイレント M12.POGO M13.GRUNGY SISTER M14.THE CLUB M15.名なしの犬公 M16.ばかやろう M17.ピース M18.トーキョウバレリーナ M19.ハート ENCORE M20.ギャップ M21.ロックとハニー

SPARTA LOCALS 「cat fish label presents『AFTER BALLET』」

7月22日(土) 渋谷CLUB QUATTRO
出演:SPARTA LOCALS / 夜の本気ダンス / imai(group_inou) / 山内総一郎(フジファブリック)
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